高耐震

耐震等級3‐許容応力度計算

 図のように建築基準法上、全ての木造建築物は、仕様規定を満たす構造となるよう計算して設計する必要があります。

 ただし、木造で2階建て以下、高さ13m以下、軒高9m以下、延床面積500㎡以下の建築物の場合、法令の特例(※4号特例)により、建築士の設計する建物であれば構造審査は省略できることになっています。

 しかし、昨今の熊本地震や、東日本大震災などの甚大な被害を見て分かるとおり、皆が耐震についてもっと意識を高める必要があると考えています。

 ハウスエナジーでは全棟、許容応力度計算により構造計算し、耐震等級3としています。また、建築前に木造住宅倒壊解析ソフトによりシミュレーションを行ないます。それにより、建物の変形の大きさ、損傷状況、倒壊の有無を建築前に見ることができます。

※2025年には4号特例は廃止予定となっています。
 今後は多くの住宅で構造審査が必要となります。

許容応力度計算とは

 間取りの横軸、縦軸で耐力壁の量が十分かどうかを検証するだけの「壁量計算」とは違い、建物にかかる固定荷重や積載荷重に地震などの長期荷重、及び短期荷重を想定し、構造部材の内部に生じる抵抗力を計算します。

 その上で、それぞれの部材がそこにかかる応力に耐えられるかどうかを検証するものです。許容応力度計算の検証内容は以下のとおり。

  • 鉛直荷重(重さに耐えられるか)
  • 風荷重(風力に耐えられるか)
  • 地震荷重(地震に耐えられるか)
  • 層間変形(構造を支える柱がどれだけ変形するか)
  • 偏芯率(柱の配置のバランス)
  • 剛性率(各階のバランスによりねじれに耐えれるか)
  • 解析(各部材、接合部に加わる力は大丈夫か)

倒壊解析シミュレーション

 近年続いた大地震による既存木造住宅の甚大な被害によって、あらためて耐震性能の重要性が注目されるようになりました。

 それ以来、研究分野では、振動台を用いた実台実験や数値解析などで、地震時の木造住宅の挙動に関する多くの知見を得ることに成功しています。

 これらの実験などで得られた知見を活用し、振動台実験でしか得られなかったシミュレーションをパソコン上で再現実験できるようになりました。変形の大きさ、損傷状況、倒壊の有無が視覚的にわかるようになりました。

 ハウスエナジーでは構造計算に加え、この倒壊解析シミュレーションを実施し、だれもが建築前に「安心」を確認できるようにしています。

耐震性計測

 

家屋の1階、2階(3階建ての場合3階)と地盤に微動探査機を設置し、人が感じないくらいのわずかな揺れ(常時微動)を観測し,

結果に基づき家屋と地盤の周期特性、共振の可能性、建物の重心と剛心の位置の情報を取得し、家屋の地震に対する耐震性について示すものです。

これまで、主に建物の現地目視や図面上の検査に頼っていた家屋の耐震性について、実測に基づいた結果として提供させて頂くことが可能となります。

 

家屋の耐震性計測でわかることは以下の4点です。

  1. 家屋の固有周期観測による耐震性の目安
  2. 地盤の固有周期計測による、地盤種別
  3. 家屋と地盤の固有周期を比較することによる、家屋と地盤の共振の可能性
  4. 家屋の重心と剛心